別冊チョコレット

右でも左でもない下だ

「先輩、いつまでナンバー2で甘んじてるんですか?そろそろこの町のトップに立ってもいい頃でしょ?」

「まあ、そうは言っても、俺はそんな器じゃないしなぁ。」

「そんな、じゃあどんな器なんですか?先輩。」

「俺か?消火の器だよ。消火器だけに。なんつって。」

「え~先輩、消火器だったんすか。知らなかったすよ。」

「知らなかったって?もしかして漢字読めないのかよ後輩。」

「漢字も読めないし、ずっと先輩その赤い箱に引き籠ってるから姿も見たことなかったし。」

「後輩、いいこと教えてあげよう。漢字読めないから知らなかったかもしれんが、10年以上も前に町名代わってるから俺が北鯔堀町のトップに立つことはもうないんだ。」

てな会話をかわしてはいないだろうな

ブロック塀に予知能力あって消火器のために身を削ってない限り、

消火器の方が先輩であろうことは間違いない

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